そっと指開けばいない雪蛍
作者:西池みどり
雪蛍は棉虫。小さな綿くずのような昆虫で、真冬の空気を浮遊する。
ふわりと手で捕えたと思ったのに、手のひらの中に姿がない。捕えそこねたか、それとも消えてしまったか。
その不思議さに棉虫らしさがある。
句集『貝の化石』から。
四季 長谷川櫂
読売新聞 11月21日
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引用元:
雪虫
「棉虫」は冬の季語なのですね。
調べてみたら5ミリほどの昆虫で、雄には口がなく寿命は1週間ほどということです。雌も卵を産むと死んでしまいます。熱に弱く、人の体温でも弱ってしまうそうです。
本当に棉雪のようなあわい生き物で、そのはかなさに人は心を打たれるのだと思います。
北海道では、初雪が降る頃に現れるので、冬を知らせる風物詩になっているそうです。
そういう小さな生き物にも目を向けて歌にしてきた日本人の感性に驚かされます。
古来より、自然と一体となった生活をしてきた日本人ならでは、と改めて思いました。
先日、知り合いの庭を整理していたら、段ボール箱にヤモリがいました。
わたしは爬虫類が苦手で「ギャーっ」と声を上げてしまったんですが、ヤモリもわたしの仲間に入れてあげようと、最近思っているところです(笑)
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