七軒の小集落に八人の出征ありしと語るいしぶみ
作者:菅原恵子
この国の辺境の集落まで戦争がどのような悲惨をもたらしたか。七軒、八人。数字を使って起こったことを淡々と記している。その冷静な態度ゆえに心の中の嘆きや憤りが、かえってありありとよみがえる。
作者は秋田の人。
歌集『生』から。
四季 長谷川櫂
読売新聞11月12日
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祖父は満州に行って、内地へ送ったはがきが実家に残っていました。
「見よ、この日本軍の雄姿を」と書いていた記憶があります。
しかし、満州から帰ってきてからは二度と戦地へは行かなかったということです。
先月薨去された、三笠宮崇仁殿下は、1943年1月から約1年陸軍参謀として中国に赴任された、と新聞記事にありました。
その中で印象に残った言葉があります。
「今もなお良心の呵責にたえないのは、戦争の罪悪性を十分に認識していなかったことです」
日本は武士道の国です。
潔さ、武士の情け、惻隠、卑怯を憎む心等々、そういう徳目が一切通用しない悪の倉庫が戦争だということを、認識していなかった、ということなのでしょうね。
誰でも「同じ轍は踏まない」と考えますが、特に日本人はその思いが強いような気がします。
二度と戦争はしてほしくないですが、日本人が勇敢に国のために戦った、ということも忘れてはいけない事実だと思います。
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